コンテンツへスキップする

リユースカップ洗浄機「まわるくん」を見学しました 

屋内, 人, 男, キッチン が含まれている画像

自動的に生成された説明

2023年10月12日(木)、リユースカップ洗浄機「まわるくん」の見学に行きました。 

「まわるくん」とは、大田区にあるトキワ精機株式会社様が制作しているリユースカップ洗浄機のことです。この洗浄機を通じて、イベント会場などで大量に廃棄されがちな使い捨てカップをリユースに切り替えるだけでなく、利用者自らが洗浄をすることで資源を無駄にしない「循環」を実際に体験し、楽しみながら環境負荷低減について考えることができます。  この洗浄機の開発にはなんと10年以上も費やしており、「リユースカップ」という概念がまだ日本で認知されていない中、社長の木村様が大規模イベント等で出る大量のごみから着想を得て、開発に踏み切ったそうです。  

上智学院サステナビリティ推進本部でも、日頃からリユースカップや環境配慮型の容器の導入について議論を重ねています。実際に学園祭や学内カフェで発生する紙コップゴミが近年問題視されてきました。学園祭では実際に環境に配慮した紙コップの導入などが行われてきましたが、ごみの量の大幅な削減にはまだ不十分な面も多く見受けられます。そこで今回は状況改善への着想を得るべく、見学に訪れました。 

使い方はとても簡単で、所要時間はわずか2分程度でした。  

  1. リユースカップ(以下カップ)に洗剤を入れる(1、2プッシュ程度) 
  1. 洗浄ボールにセット 
    洗浄ボールのフタを開けると中にスポンジがあり、そこにカップをセットします。スポンジは交換可能であるため、常に清潔な状態を保つことができます。 
  1. ハンドルを回して洗浄 

ハンドル自体もそこまで力を入れる必要はなく、十数回ハンドルを回すだけで余洗いができる点が子供も楽しみながら洗浄できる秘訣かもしれません。実際にイベントでも、老若男女問わずこの過程を和気あいあいと楽しんでいたそうです。 

  1. すぎ槽(オゾン水噴射器)にセットしてすすぐ 
  1. 「デポジット」」/「募金」を画面で選択  

イベントで導入する際には、カップ盗難防止用に「デポジット(預り金)」を選択するか、あるいは「募金」を選択することで特定の団体へ寄付することも可能です。ユーザーのニーズに応える選択肢があり、様々な工夫が散りばめられていることを感じました。 

  1. 洗浄完了後、水滴をふきとる 

屋内, キッチン, 窓, テーブル が含まれている画像

自動的に生成された説明

見学を通じて、イベントでの「デポジット制度」は新たな気づきでした。具体的にはリユースカップ導入店舗で飲料を提供する際、飲み物は通常料金に50円上乗せされた価格で提供されます。そして、リユースカップを「まわるくん」で利用者自らが洗浄することで上乗せされた50円が返金されます。上智大学においてもリユースカップ導入を検討するにあたって「リユースカップがしっかり返却されるのか」という懸念点がありました。「まわるくん」のデポジット制度のように、リユースカップ利用者が自ら洗浄しないとお金が返金されないという状況をつくることによって格段に回収率が上がると感じました。 

さらに驚いたのは募金機能です。デポジット制度で上乗せされた50円は、利用者自らが「返金する」か「募金するか」を選択することができます。リユース容器の洗浄だけでなく、「募金」という選択肢も加わることで利用者がさらに環境意識を高めることができると感じました。 

また、「まわるくん」は使ったらすぐ捨てることがあたりまえになりつつあった社会に対して、使い捨てではなく再利用するという新たな選択肢を与えうるものだと考えます。「使う→洗う→使う」という小さな循環を生み出すだけでなく、その循環のプロセスを利用者自身が体験し、可視化できるという点で画期的な取り組みだと感じました。実際に体験してみると作業工程も簡単で、楽しみながらごみ削減に取り組むことができました。この循環を応用していくことで、製造業界を含めた社会全体がモノを「つくる」責任、「つかう」責任について再考する有意義な見学となりました。 

「まわるくん」に関する詳しい情報はこちらから 
トキワ精機株式会社様公式HP: https://tokiwaseiki.net/ 

(郡・中井)