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急な雨に役立つサービス「アイカサ」インタビュー

  • 12:つくる責任 つかう責任
  • 13:気候変動に具体的な対策を
  • 14:海の豊かさを守ろう
  • 学院・大学の取組み
  • 社会・地域連携

【急な雨に役立つサービス「アイカサ」インタビュー】

現在上智大学四谷キャンパス内の四か所に設置してある「アイカサ」。導入に関わった、株式会社Nature Innovation Group アイカサの青木ある様にお話しを伺いました。

–Q1. アイカサには22歳以下の若者向けに向けたアイカサ無料サービス「U22応援プラン」があると思います。このように、若者にフォーカスしている理由を教えてください。

主に二つの理由があります。一つ目は、弊社(株式会社Nature Innovation Group アイカサ)代表取締役 丸川の学生時代の経験によるものです。彼は学生時代、あまりお金が無い中で雨が降るたびに一本500円の傘を購入することへのもったいなさを感じていました。そのため雨が降ると濡れて帰っていたそうです。雨が降ることで困る人はたくさんいますが、この経験から特に学生に傘を届けたいという思いを強く持っていたことが理由の一つです。二つ目は丸井グループ様との協業を契機としてZ世代への普及に将来性を感じたことです。感度の高い彼らにアイカサを体験してもらうことで若いうちからシェアリングに慣れ、買わないことが当たり前、という意識を形成することできると考えました。これらの理由から、我々は学生に注目して新しいプランを立ち上げました。

–Q2. U22にフォーカスするメリットは

まず、慣れの早い若者にシェアリングを使ってもらうことによって期待できる波及効果です。例えば誰か一人が駅などで利用しているのを見かけたら、他の世代のひとも気軽に利用できると思います。浸透しやすい層から徐々に利用を広げていくことが狙いの一つです。また、現代の若者はSNSのネイティブ世代です。彼らがアイカサをシェア・発信をすることは、認知度の向上に繋がると考えています。

–Q3. アイカサの普及率と返却率が高い理由を教えてください。

アイカサの利用を始めるきっかけの9割程度は実際に傘立てを見て、存在を知るところからです。なので「いかに傘を使いたいと思うような場所に傘立てを設置できているか」が普及率の高さと関連しています。最も利用が多いのは駅にある傘立てなので、一都三県の駅を網羅することでユーザー数を増やしていきたいと考えています。

 返却に関しては借りる際のユーザー登録には決済登録が必要になります。いつ、どこで、だれが借りているか追跡ができるので、返却しない場合にはお金が引き落とされることになります。借りっぱなしで得をすることが無いことが、返却率が高い理由の一つです。また、電車やお店で傘を忘れてしまった場合もアイカサの傘が落としものとして届けられた場合は、警察庁からアイカサに連絡が来るため、まとめて回収できる仕組みを整えています。

–Q4. アイカサは「破損による追加料金や手数料は発生しない」「壊れて返却された例がほとんどない」そうですが、その理由を教えてください

アイカサの傘はca et la(サエラ)の+TIC傘という、壊れにくく、壊れても治すことのできる傘を採用しています。この傘一本の寿命は約三年で、傘の骨が一本折れたとしても治すことができます。このように、できるだけゴミを減らす工夫をするとともに、耐用年数の長い傘を使用することで、破損による手数料を頂くことなくサービスを提供しています。

–Q5. 環境省グッドライフアワードを受賞した背景を教えてください

SDGs項目のうちアイカサが注目している項目は三つ。一つ目はSDGs12「つくる責任 つかう責任」です。アイカサが作った傘を長く大切に使用するために、壊れても治す工夫をしているからです。二つ目はSDGs14「海の豊かさを守ろう」です。ビニール傘は埋め立てゴミのうち多くを占めているため、プラスチックゴミの削減は海の豊かさにもつながります。三つ目はSDGs13「気候変動に具体的な対策を」です。環境省の算出方法に基づいた計算によるとアイカサの傘を一回使用することでCO2を692g削減することができます※1  アイカサの利用を増やすことで環境保護の側面でも貢献していくことができると考えています。  

–Q6. 上智大学内でユーザーを増やすためにどんなアクションが必要であるとお考えですか

上智大学の最寄り駅である四ツ谷駅では、まだアイカサの設置は叶っていません。大学と大学の最寄り駅に傘立てを設置することで利便性が高まればよりユーザーを増やすことができると考えています。また、学生内の口コミも重視していきたいです。他大学ではアイカサと学生団体が連携して学内での周知を行うことでユーザー数の増加を図っています。

–Q7. アイカサの今後の展望は

まずは一都三県の駅における設置数の増加です。我々としてはこれが最もユーザー数の増加につながる行為だと考えていますし、利便性の向上にも繋がるため、今後も力を入れていきます。また設置後の一台あたりの利用を増加させ、回転数を上げる必要があります。例えば一台当たり、一度の雨で2本使用されるのと20本利用されるのでは大きく異なります。さらにサステナブルの側面では、年間6000万本あると言われている廃棄傘に対し、「使い捨て傘をゼロにする」ことを目標に掲げています。

–Q8. 傘立てはどのような意図で現在の4か所に設置したのでしょうか。また、アイカサ導入の背景を教えてください。(現在の設置箇所は、2号館サブエントランス(北門・6号館側出入口)/6号館LLC前エントランス(メインストリート中央側出入口)/9号館アクティブコモンズ前)/11号館ピロティー(自販機付近))

(上智大学管財グループより回答)どの建物にいても濡れないように、ということを意識して傘立てを設置しています。また、落とし物管理の業務の中で傘をなくして困っている学生を目の当たりにすることが多かったので、その経験がアイカサの導入につながりました。

–Q9. 上智大学では、アイカサはどれほど利用されているのでしょうか

上智大学は設置している大学の中でも利用頻度が高い印象です。キャンパスに設置している傘は多いときで一か月あたり約100回の利用がなされています。その理由としては学生の利用率が高い施設に傘立てを設置している点。さらにキャンパスが都内にあることから、キャンパスで借りて、自分の最寄り駅の傘立てに返すことができるという気軽さがあるのではないかと考えています。

※1 参照元: 環境省 -3R原単位の算出方法

参考

上智大学通信 第455号 2021年10月11日発行 「アイカサ」の傘立てを設置 傘シェアリングサービス