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【短期大学部】すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習への機会を促進する

  • 4:質の高い教育をみんなに
  • 教育・授業

上智短大では、地域の外国籍市民への日本語支援やその子どもたちへの教育支援を行うサービスラーニングを通して、弱い立場にある子どもたちが高校や大学に平等にアクセスできるように支援しています (ターゲット4.5)。また、サービスラーニングは、人権、平和、グローバル・シチズンシップ、文化多様性への理解と知識及びSDGsを自ら促進する人材となることを目指すための学びとして、ESD(Education for Sustainable Development)※と言えます(ターゲット4.7)。

 少子高齢化が進む日本にとって、外国人住民との共生や日本育ちの多様なルーツを持つ外国籍の子どもたちに対する包摂的、かつ公正な教育はSDGsとしても重要な課題です。本学は、 1988 年から地域の多文化化に合わせて、インドシナ難民や南米出身の日系人などの外国籍市民に対して日本語や学習支援を継続して行っています。秦野市との提携事業協定により、秦野市に在住する外国籍の児童生徒を「誰一人取り残すことがない」よう行政とともに取り組んでいます。日本育ちの次世代の子どもたちが教育の機会を等しく得ることができ、彼らの文化的多様性をも育める地域づくりに貢献しています。

 本学のサービスラーニング参加学生は、地域の課題を自ら見つけ、原因を考え解決するために行動します。外国籍の人々がなぜ日本に居住するかを考えることはグローバル社会の経済や人の移動を考えることです。さらに親と共に移動する子どもたちの教育のスムーズな接続についてや、弱い立場にある人々と共生していくために何が必要かを考えます。ESD であるサービスラーニングで培った多文化共生力や課題解決能力は、地球規模でSDGsをめざす社会で生きていくために必要な力となります。

※ ESD(Education for Sustainable Development)
「持続可能な開発のための教育」と訳される。気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等の現代社会の諸問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、身近なところから取り組み、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動。

上智大学短期大学部 Sophia University Junior College Division


【卒業生の声】包摂的な教育の実現に向けて在学時から現在まで挑戦し続ける

 幼い頃、メディアを通じて学校へ通うことができない開発途上国の子どもの存在を知り、強い不条理さを覚えたことが、私が教育開発に興味を抱いたきっかけです。上智短大在学中、授業でノンフォーマル教育や不就学児について学ぶと共に、課外活動として、家庭教師ボランティア(現・サービスラーニング活動)に参加し、チリ出身の親子に日本語や学校の宿題を教えました。それらの経験により、学校教育の限界を垣間見ると共に、何が教育を受ける機会を阻んでいるのか、どうすればすべての学習者へ質の高い教育を提供できるのかについて、より学びを深めたいと考えるようになりました。編入学後は、教育学の知見を広げると共に、カンボジアの教育支援団体の設立や不就学児に関する調査等を経験。生涯を通じて、包摂的な教育の実現に貢献したいと思うに至りました。

 現職では、開発コンサルタントとして、モンゴルのインクルーシブ教育に関するプロジェクトに従事しています。このプロジェクトは、障害児のための発達支援や教育サービスをモンゴル全土に普及することを目標にしているもので、私は現地の学校教員や行政官と共に、インクルーシブな学校作りに向けて、モニタリングや普及活動支援に携わっています。

 SDGsの目標でもある包摂的な教育の実現は一夜にして達成できるものではありません。しかし、この壮大なテーマの達成に向け、私にできることを着実に、そして諦めずに挑戦し続けたいと思います。