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わかたけサークル

  • 4:質の高い教育をみんなに
  • 10:人や国の不平等をなくそう
  • 課外活動団体

肢体障害のある子どもたちと遊ぶボランティア活動を行っている団体があることをご存じでしたか?今回は、学生有志団体「わかたけサークル」の代表、総合人間科学部社会福祉学科の安蒜絵里紗さんにインタビューを行いました。

――創立のきっかけについて教えてください。

わかたけサークルの活動は、卒業論文の執筆のために目黒区油面小学校にある特別支援学級「わかたけ学級」に足を運んでいた教育学科の学生が、都立大学の学生と出会ったことで始まりました。「わかたけの子どもたちと一緒に遊んでくれる人がいたら…」というわかたけ学級の先生のひと言から、わかたけ学級での授業見学、先生と学生同士の話し合いを経て、1973年6月9日に第1回の活動が開始され、現在の活動へと発展していきました。

――なかなか面白い背景ですね!次に、活動の理念について教えてください。

 理念は2つあります。1つは「三位一体」で、サークルの創立当初から大切にしている言葉です。ここには、学生、子ども、子どものご家族の3つの構成員がどれも欠けてはならず、お互いが協力し合ってサークルが成り立っているという意味があり、コロナ禍だからこそより重要になっていると思います。2つ目は、「障害の垣根を越えて、自分が楽しむ、みんなで楽しむ」です。障害のある子どもに何かをして“あげる”のではなく、自分も相手も楽しむというスタンスで、コロナ以前はわかたけ学級の子どもが行きたい場所に学生が一緒に行くこともしていました。

――子どもも学生も保護者も一緒になって楽しむというのは非常に大事ですね。行きたい場所へお出かけするほかに、どんな活動をされていますか?

 活動の頻度としては月に2回、隔週で、コロナの影響もあり、現在はオンラインでの活動も行っています。Zoomの機能を用いてお絵かきをしたり、手指の体操、なぞなぞをしたりと、みんなでできる活動をしています。外出制限も緩和されてきたので、子どもが行きたい場所に一緒に行ったり、散歩や公共施設に遊びにいくなど対面での活動も徐々に再開しています。

――みんなで取り組めるアクティビティばかりで楽しそうですね!安蒜さんがわかたけサークルに入団したきっかけについて気になったのですが、お伺いしてもよろしいでしょうか?

 知的障害のある方にフィギュアスケートを教えるボランティアに携わったことが影響しています。幼いころからフィギュアスケートを習っていたのですが、怪我をして回復までに時間がかかるということで、スケートに対するモチベーションや気持ちが低下した時期がありました。そんなときに、このボランティア活動と出会い、相手の笑顔を見て、自分も喜びを感じていることに気付きました。大学に入ってからは、スケート以外の場でもこういったボランティアを続けたいと思い、わかたけサークルに入りました。

――フィギュアスケートのコーチングもわかたけサークルの活動も存じ上げなかったので、とても興味深いお話でした。ありがとうございます。では、団体の活動についてお聞きしたいと思います。団体の活動はSDGsのどの目標に貢献していますか?

 4番「質の高い教育をみんなに」に深く該当しているかと思います。以前、わかたけサークルの活動に参加してくださっている子どものご家族が「普段は特別支援学級の先生、デイサービスの先生といった年上の人に遊んでもらうことばかりであるため、わかたけサークルは年の近い子と遊べる貴重な機会だ」とお話されていました。これを聞いて、私たちの活動は「障害の有無に関わらず、同年代の子と遊ぶという学びを障害のある子どもに提供している」と気付きました。

 現在の障害者への教育は、障害のない子どもと分けて障害特性に合わせて教育することが一般的になっていると思います。私個人としては、障害あるない関係なく、同年代の人と一緒に遊び、同じ時間を過ごすことも重要だと考えます。そのため、障害のある子どもが経験しにくくなっている、「同年代と遊び、共に同じ時間を過ごす」という意味で、勉強面ではない「教育」の場を提供しているのではないかと考えます。

――これから目標はありますか?

 活動の幅を広げることとサークルの人員を増やすことです。コロナ禍による自粛によって、長い間対面での活動ができておらず、今までのサークルの形式では対応できない部分が増えてしまいました。例えば、コロナ以前に行っていた親抜きでの合宿や1日使った外出行事には、子どもの介助が必要です。ですが、そういった経験があるのは4年生のみで、介助方法等の伝承が難しいため、外出行事を実施できていません。さらに、現在は通常の活動でもご家族の同伴をお願いしている状況です。そのため、今後はご家族から介助方法を改めて学び、まずは1日の外出行事を実施できるようにしたいと考えています。

 それに伴って、子どもの安全を守るためにも、サークルの人員を増やすことも目標としています。

――最後に、読者に伝えたいことはありますか?

 わかたけサークルはボランティアというよりも、子どもと楽しく「遊ぶ」ことをメインにしています。私は、サークルでの活動を通して子どもと遊ぶ中で、子どもたちが笑ってくれたり、楽しそうな姿を見せてくれたりしたときに、とても喜びを感じ、子どもの笑顔が自分の喜びになると気付きました。実際に子どもたちと関わってみることで、私のように新たな自分の一面や分からなかったことを発見できると思います。この記事を読んで少しでもわかたけサークルに興味を持ってくれたら嬉しいです!

わかたけサークルでは、子どもたちと一緒に楽しく遊ぶメンバーを募集しています。興味のある方は下記のアカウントまで!

Twitter:上智大学わかたけサークル

(学生職員 アンジェラ)

学生団体

上智大学わかたけサークルWakatake