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【企業様インタビュー】株式会社買取王国~使わなくなったモノを上智への寄付金に還元~

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「お金」ではなく、「モノ」で寄付できる制度があるのを皆さんはご存知ですか?

上智学院は、2022年度より株式会社買取王国及びリングロー株式会社との業務締結契約を結び、モノを通してSOPHIA 未来募金へ寄付ができる新しい仕組みをスタートしています。

第二弾となる今回は、不要となったあらゆるものを回収し、査定金額を寄付する事業「モノドネ」を行っている、株式会社買取王国代表取締役 長谷川和夫 様、CSR事業部 松久祐子 様にインタビューさせていただきました!

長谷川社長は、1974年に上智大学法学部を卒業後、27歳で家業を継ぎ、レコード機器の販売など行い、その後時代の変化に合わせた柔軟な経営戦略を展開し、中古産業に参入。そこから「買取王国」を独立、不要になった衣料品や雑貨、ブランド品などを買い取り再販するリユース事業を手掛けています。

――上智大学在学中に特に熱心に学ばれたこと、学生生活で印象に残っているエピソードがございましたらお聞かせください。

上智大学で学んだこととしては、特に法学部の授業が印象的でした。当時、法学部の女子生徒はわずか3人しかおらず、男子の多い環境での学びでしたが、佐藤久雄先生から民法などを学び、法律用語は今でも契約時などに使っています。また、学生生活ではオリエンテーションで友達を作ることができ、今でも学友とは食事やゴルフなどをしています。当時は上京しての初めての生活で期待と不安でいっぱいでしたが、学校や友達の存在が私の支えとなり、充実した学生生活を送ることができました。

――御社が運営する「モノドネ」では「モノを捨てるのではなくリユースを通じて社会貢献に参加できる」とされています。この取組みについて、どういった思いで始められたのか、お聞かせください。

私たちは、長年モノと向き合っていく中で、まだ使えるものもゴミ箱に捨てられてしまうのが悲しいという純粋な思いから、買取王国の事業を始めました。リユースはまだまだ使ったことがない人が約7割、つまり、3分の2の人は使ったことがない物が捨てられ、使わないまま置かれているという現状があります。「モノドネ」は、もっと物を生かして使える場所がないだろうか、ということで、寄付事業を名古屋大と始めたことがきっかけでした。そこから、赤十字・あしなが育英会などの慈善団体と協力して、寄付をもっと日本文化に定着させたいと考え、現在の「モノドネ」が生まれました。最近は、企業が中心に進めるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の流れが日本にも来ており、環境庁もこの仕組みに力を入れて取り組んでいます。子供や孫の時代に地球が住めない環境になってしまう前に、今やらなければならない、という危機感を持って、企業を挙げて貢献しています。

――企業としてSDGsを取り組むことでどのような社会を目指しますか?

循環型経済に変わっていかなければ、今後地球環境が危機的な状況になってしまうと感じています。今までは、大量生産大量消費の一方通行の経済が主流でしたが、その結果が今、私たちに返ってきたと言えるでしょう。モノを作る段階から処理までのサイクルを考え、環境負荷を軽減する生産方法がいかに重要かを社会全体が理解する必要があります。公共事業でもこの考え方を採用するようになってきており、日本ではまだあまり浸透していませんが、循環社会に貢献していない企業は低い評価を受けるような社会制度ができつつあります。私たちも、「モノドネ」という活動を通じて一般企業を巻き込み、より良い未来を作るために働きかけたいと思っています。例えば、余分なモノを作らない工夫や、リユースを通じた新しいビジネスモデルの開発など、今後もさまざまなアイデアが生まれることを期待しています。新しい循環型経済を形成し、持続可能な社会を実現するために、私たちは今後も積極的に取り組んでいく必要があると思っています。

――寄付として受け入れたモノはどのような流れでリユースされますでしょうか。

専門の部署で査定を行い、査定が終わった寄付品については、買取王国店舗やオンラインショップで再販を行っています。再販が難しいものは、弊社にある低単価で販売できるショップ「マイシュウサガール」で再販をし、それでも対処できない場合は資源の再利用を行う提携企業に回して、廃棄せずにリユースを行っています。

――これまでの「モノドネ」の取り組みで集まった中古品にはどのようなものがありましたか?

一番多いのは衣料品です。次に金券類(商品券、株主優待券)、切手やはがき、生活雑貨、お酒などがあります。学生さんは服などがたくさん余っている人も多いかと思うので、ぜひ送っていただけたらと思います。

――今後の「モノドネ」、または会社の取り組みについて、目標や展望がございましたらお聞かせください。

近年、円安の影響やリユース文化の浸透により、モノを売りに来る人が増加しています。買取王国としては需要が高まっている反面、モノドネに関してはまだ先行投資の段階であり、収益として成り立っていない状況です。しかし、この取り組みは非常に重要であり、社内で5年先10年先を見据えた体制整備に取り組んでいます。今後は、モノで寄付するということの認知度を高め、寄付文化を広めることが目標です。この輪を広げ、社会貢献に繋げていきたいと考えています。

――学生へのメッセージをお願いします。

皆さんには「挑戦」「貢献」「変化」を大切にしてほしいです。

私はいつも、「遠くに旗を立てる」ことが大切だと思っています。自分の情熱を持ち続けるためには、高い志を掲げて、大きな夢を追い求めることが必要です。「低い理想は低い人間性を生み、小さい夢は卑屈な人間を生む」という言葉があります。自分ができると思うことよりも、少し高い目標を持ち、追い求めることで、人生がより面白くなると思います。ある一定量の無理をすることは成長するために必要なことでもあります。せっかく一度きりの人生なんですから、自分の限界に挑戦してみてほしいです。

そしてもう一つ大事なことは、「貢献」すること、誰かの役に立つことです。自分のこと先に考えるよりも、人の役に立つことを考えると、結果的に自分も相手もよくなる、そう考えています。

もう一つは「変化」です。特に今の時代、変化を恐れずに柔軟に考えることが大切です。そのためには、素直さと謙虚さをもつこと、人から教えてもらったことをいかに偏見を持たずに聞けるかが大切な要素になります。私も学生時代は自分の考えることと他人が考えることは大差ないと思っていましたが、今70年生きてき見てわかるのは、みんな違うんです。ですから、まず人の話を聞くときは、自分の考えはいったん横に置き、ゼロの状態で聞いてみてください。

最後に、運命(運ぶ命)はだれが持ってくるでしょう。出会った人が持ってきてくれるものだと私は思います。会う人会う人いろんなチャンスをくれます。「あの人があったから今がある」いいことも悪いことも、だれかのおかげで体験できている、と本当に思います。運は相手が持ってきてくれます。大学で出会った友人や先生、これから出会う人、その出会いは自分の運命を大きく変えていくと思いますので、ぜひ人との出会いを大切にしていただきたいと思います。

インタビューにお答えいただき誠にありがとうございました!

関連サイト

株式会社買取王国HP: https://www.okoku.jp/

【株式会社買取王国/リングロー株式会社】お金ではなくモノでの寄付で社会貢献:査定額はSOPHIA 未来募金へ: https://sophia-sdgs.jp/efforts/2891/

学生職員 芦澤 原田