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  • 移住女性とSDGs:リプロダクティブ・ヘルス・サービスヘのアクセス(科研費 国際共同研究強化B)
    総合グローバル学部総合グローバル学科   田中 雅子 教授

移住女性とSDGs:リプロダクティブ・ヘルス・サービスヘのアクセス(科研費 国際共同研究強化B)
総合グローバル学部総合グローバル学科   田中 雅子 教授

  • 3:すべての人に健康と福祉を
  • 5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 10:人や国の不平等をなくそう
  • 研究

【研究の概要】
SDGs目標3.7は「性と生殖の健康のためのサービス(Sexual and reproductive health service:SRHS)へのあらゆる人々のアクセスを保障すること」を、目標5.6は既存の国際規範を踏まえて「性と生殖の健康・生殖の権利(Sexual and Reproductive Health and Reproductive Rights: SRH/RR)への普遍的アクセスを確保すること」を求めている。しかし、日本で暮らす移民女性は、出身国と日本で使用できる避妊法や中絶法が異なることから、必要なSRHSにアクセスできていない。孤立出産の結果、死産をした技能実習生が有罪判決を受ける事件も起きている。これは、目標10.7「計画に基づきよく管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する」ことに関わる問題である。
本研究は「出身国や地域、文化的・社会的背景や年齢層によって異なる移住先における彼女たちのSRHS利用の違いを明らかにし、移住女性だけでなく、受け入れ国の女性にとっても望ましいSRHSの構築に寄与すること」を目的としている。医療関係者へのインタビューと、中国、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、ネパール出身者への調査から、移民のSRHSニーズの多様性を分析し、日本で暮らすすべての女性のSRHSへのアクセス向上のための政策提言を行う。

【研究の発展性】
・移民の中でももっとも脆弱な技能実習生や留学生の渡航前・到着後研修にSRHSに関する教育を含めること、また、そのための教材制作の提案を行っている。

・日本の支援者が、移民女性の妊娠・出産に対応するために必要な労働法や入管法に関する知識を身につけるためのセミナーの開催を自治体に働きかけている。

・移民の視点を入れることによって、緊急避妊薬の市販薬化や薬剤中絶の導入など日本のSRHSの多様化を加速化させることができる。


担当教員

田中 雅子Tanaka Masako
総合グローバル学部総合グローバル学科