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教育支援学生団体「ASANTE Project」

  • 4:質の高い教育をみんなに
  • 10:人や国の不平等をなくそう
  • 課外活動団体

タンザニアの未就学児への教育支援を行っている学生団体 「ASANTE Project」東京本部の新井玲奈さんにインタビューを行いました。

——Q1 「ASANTE Project」の創立の背景と理念を教えてください。

「ASANTE Project」は、2016年4月に創設された学生団体です。創立者の稲川雅也さんがタンザニアでのボランティアに参加した際に、その支援団体が寄付しているものと現地で本当に必要とされているものとの間にギャップを感じ、もっと本当に現地の子ども達のためになる活動をしたいと思ったのが創立のきっかけです。当時、その支援団体はおもちゃなどを寄付していたのですが、現地の先生方とお話をしていると、本当に必要とされているのは鉛筆やノートなのだという声がありました。そこで、日本に帰国してからASANTE PROJECTを立ち上げ、今の活動が始まりました。
ASANTE PROJECTには3つの理念があります。1つ目が「現地のニーズを最優先に」、2つ目が「持続的かつ将来性のある支援を」、そして最後に3つ目が「学生の力で社会に変化を」というものです。創立当時からこの理念だけは変えることなく活動を続けています。

——Q2 活動内容について教えてください。

まず、「ASANTE Project」には「東京本部」、「大阪支部」の2つの拠点があります。元々は上智大学で創設された団体なのですが、大阪大学に東アフリカで広く用いられているスワヒリ語の学科があり、より活動の幅を広げられるのではないかという思いで大阪支部が設立されました。
また普段の活動では、イベントの企画やASANTE MARKETを管理する「企画部」、団体とアフリカの魅力を発信する「広報部」、外部団体とのやり取りを行う「渉外部」の3つの部署に分かれて活動しています。

「ASANTE Project」の活動は、大きくタンザニア現地での活動と日本での活動の2つに分けられます。
まず日本では「アフリカの魅力発信」を主な目的として活動を行っています。具体的には、まず、メンバーが直接タンザニアの市場で仕入れたタンザニアの伝統布を用いたハンドメイド商品を販売する「ASANTE MARKET」というお店を運営しています。他にも、中学生、高校生向けのワークショップを開いたり、アフリカ関連のイベントに参加して、アフリカやタンザニアの魅力を発信しています。
次に、現地での活動としては年に2回、2月と9月にタンザニアへの渡航を行っています。これまでの支援としては主に二つのことを行ってきました。まず1つ目が、筆記用具・机・椅子・教材などの物資支援です。そして2つ目が、屋根や外壁などの建設支援です。タンザニアの幼稚園が政府の認可を得るには一定の建設基準を満たす必要があるのですが、それを満たしていない幼稚園も多いため、このような支援を行っています。


——Q3 現地のニーズを何より大切にしていますが、現地とのやりとりは何を通じてやっていますか?

日本にいる時には、SNSのメッセージでやりとりをしています。私たちの活動は現地の人々との繋がりがあって初めて実現するものなので、いつでも連絡が絶えることのないように努力しています。
また普段の渡航ではそれぞれの幼稚園を視察して現地のニーズを把握し、次回に行う支援の内容を決めています。
また、コミュニケーションを取る際の言語に関しては、それぞれのメンバーが英語やスワヒリ語など、自分が使える言語を用いてやり取りを行っています。

——Q4アフリカの未就学児への教育支援が重要なのはなぜだと思いますか?


まず、一番の理由としてタンザニアにおけるドロップアウト率の高さが挙げられます。タンザニアでは日本の小学校に当たる7年間の初等教育で2回の昇級試験があり、これに受からないと次の学年に進めない決まりになっているのですが、この試験に受かることができずに進学を諦めてしまう生徒が多く存在します。また中学校に上がると授業が英語で行われるようになり、学校の授業についていけなくなる生徒がさらに増えていきます。これらの事情から、私たちはタンザニアの子ども達にとって、未就学児の時から英語を始めとした様々な授業を受けられる環境が重要であると考えています。
また私たちは、子ども達にとって、教育の機会を与えられるというのは、将来の可能性を広げていくことにもなると考えています。実際に、私たちの現地での活動をサポートしてくださっているタンザニアの子ども支援団体の「Bright Aid」でも“Education is the passport to the future for tomorrow belongs to those for it today”という理念を掲げています。これは「教育は未来へのパスポート」という意味で、これからも大切にしていきたいと思っている理念の一つです。


——Q5 目指しているSDGs目標について教えてください。

ASANTE PROJECTの活動は、4番の「質の高い教育を皆に」と10番の「人や国の不平等をなくそう」に関連していると思います。
国に関係なく、すべての子どもは質の高い教育を受ける権利を持っています。私たちはタンザニアの子ども達の教育環境をより良いものにするために活動を行っていますが、この活動が上二つの目標の実現に貢献できるものであって欲しいと考えています。

——Q6 活動をしてから変わったと感じることはなんでしょうか?

私がASANTE PROJECTに入ったのがちょうどコロナの流行により現地渡航が厳しくなってきた時期だったため、この2年ほどでアサンテの活動では様々な変化を感じてきました。
これまでは現地の人々とのつながりを何よりも大切にして、ニーズをいち早く掴んですぐに行動に移してきたのですが、まずこのような活動の根幹にストップがかかってしまいました。また授業がオンラインになり1年半の間ほとんどメンバーに会うこともなく活動を行わなければならなかったことで、メンバー間の交流や仕事を進める点で多くの困難を感じました。
しかし、このような状況でも、さらにはこのような状況だからこそ、何かできることはないかとメンバーみんなで話し合いを重ね、コロナ禍の今は日本の中でアフリカの魅力を発信する時期なのではないかという考えに至りました。それからはASANTE MARKETで新たに新商品を発売したり外部の方とのコラボを行ったり、またオンラインでの中高生向けのワークショップを開いたり、新たなことに挑戦し続けてきました。従来のASANTE PROJECTとは大きく異なる活動をしたこの2年間でしたが、この経験がまた将来のASANTE PROJECTの活動にプラスの効果を生み出し、より良い教育支援に繋がっていってほしいと思っています。

また、現在は対面でのミーティングが行えるようになったのですが、改めて人と人とが直接会うことの大切さを実感しました。私たちはこれまで年に2回現地タンザニアを直接訪れて現地の人とコミュニケーションを取り活動を続けてきましたが、やはりそれは間違っていなく重要なことだったのだということに不思議な形で改めて気付かされました。
これからも、アサンテの3つの理念は大切にしながら新たな変化や挑戦を続けてタンザニアの子ども達のためになる活動を行っていきたいです。

——Q7最後に読者へのメッセージをお願いします。

私たちASANTE PROJECTはタンザニアの未就学児への教育支援を行っている団体です。「教育支援」と聞くと真面目なイメージ、「アフリカに行く」と聞くと怖いイメージがあるかもしれません。
しかしアサンテのメンバーの多くが、現地渡航から帰ってくると非常に生き生きとした顔で嬉しそうにタンザニアの景色や人々の話をしてくれます。私たちは決して「教育を十分に受けられていない子どもたちを助ける」などといった思いは持っていません。そうではなく、「もっと現地の子どもたちの笑顔が見れるように、子どもたちがより多くの可能性を持てるように」という思いで私たちができる小さなことから行っていきたいと考えています。

アフリカという地域、タンザニアという国は本当に魅力あふれる場所です。私たちはその魅力をぜひ多くの人に知ってほしいと思っています。そのためにもASANTE MARKETで心がワクワクする鮮やかなアフリカ布を用いた商品を販売したり、アフリカの魅力を伝えるワークショップを開催したりしているので、ぜひ一度Instagramやオンラインショップを覗いていただけたら嬉しいです。


(学生職員 オ)

インタビューに応じて下さった「ASANTE Project」東京本部の新井玲奈さん、ありがとうございます。

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